麻雀は頭脳ゲーム。実戦では考えることが多く、いかに脳のリソースを空けておくことが重要です。実戦では待ちを1つずつ確認している暇はありません。7枚形はそこまで数も多くないので丸暗記してしまうと雀力UPに直につながります。
麻雀の待ちの種類は分解すれば上図のように「単騎待ち」(タンキ)、「両面待ち」(リャンメン)「嵌張待ち」(カンチャン)「辺張待ち」(ペンチャン)「双碰待ち」(シャンポン)の5種類しかありません。この記事ではそれらを「待ちの5原種」と呼ぶことにします。
にもかかわらず3面待ち、4面待ちなどは実戦では頻出し、純正九連宝燈のような9面待ちも現実として存在します。これは麻雀の難易度を上げている要素でもあり、そこが麻雀の魅力のひとつでもあります。
多面待ちのことを多面張(タメンチャン)とも呼びます。「多面張が苦手」という人は多いですが、基本を押さえれば誰でも得意に変えられますし、多面張を好きになれば確実に麻雀は上手くなります。この記事がその一助になれば幸いです。
なぜ7枚形を丸暗記するべきなのか
この記事でいう「7枚形」とは下図で示したような“7枚で聴牌構成されている牌姿”、要は“7枚で作られた多面張”を指します。
最初に述べた通り、牌を分解していけば最終的には「待ちの5原種」に辿りつくことは可能なので、多面張を丸暗記する必要はないと考える人もいるかも知れません。
例えは強引かも知れませんが、算数で言えば「足し算が分かれば掛け算は覚える必要がない」という発言に近いと思います。もし小学生が「足し算分かれば掛け算も計算できるじゃん。だから覚えたくない」と言っていたらどうでしょう。「今後絶対に困るから覚えろ!」と思いませんか?「多面張は考え方が重要だから形を丸暗記しても意味がない」という意見に対しても私は先ほどの小学生の発言と同じ感想を持ちます。「今後絶対に困るから覚えろ!」
麻雀の実戦中は考えることや判断することが山のようにあります。判断するためには自分の手牌だけでなく河(ホー)を見て相手の手や山の推測なんかも必要です。聴牌した時に何待ちか確認するなんて暇はありません。
牌理については意味をしっかりと覚えることは重要です。例えば麻雀のセオリーで「赤5が切られていれば3・7は通る」や「3対子は最弱だから対子をほぐせ」「完全一向聴を目指すのが効率良い」など色々ありますが、セオリーには「例外」が必ずあります。言葉だけを丸暗記していても実戦で役立たないことはあります。
では「多面待ち」を覚えた場合、「例外」はありますか?捨て牌に4枚切られていて実質の待ちが減っていることはありますが、3面待ちの形が場況によって5面張や6面張に増えることは絶対にあり得ません。多面待ちはセオリーではなくただの形なので例外はありません。むしろ河(ホー)に何枚か切れているかを把握するため、河を常に監視できるほどの余裕を持つために簡単な多面張(7枚形程度)は覚えてしまえということです。
簡単な待ちが一瞬で分からなければ門前清一色(メンゼンチンイツ)の一向聴(イーシャンテン)なんてまず捌けません。7枚形は20種類程度しかないので丸暗記してしまうのが得策です。
7枚形を覚える前にまず4枚形を完璧に
7枚形多面張を覚えることの意義を分かってもらえたところで実際に7枚形聴牌の形を紹介したいところですが、その前にまず4枚形を完璧にすることが重要です。単騎待ちは唯一の1枚形の聴牌形ですが、説明する必要すらありません。「待ちの5原種」の残り4つは4枚形です。辺張や両面は2枚形では?と思われる方もいるかも知れませんが、あれらは雀頭があることが前提の待ちですので4枚形に区分されます。麻雀の待ちは「1枚形」「4枚形」「7枚形」「10枚形」「13枚形」の5種類に分類されます(国士無双は13枚形とします)。10枚形以降はあまりにも種類が膨大で、かつ出現率が低いので無理して覚える必要はないというのが筆者の意見です。算数で例えるとインドでは覚えさせられると聞く「19×19」までの掛け算でしょうか。覚えた方が得だけど優先度は低いというイメージです。 下に5原種以外の4枚形を示します。
- 「延べ単騎」
「延べ単騎」待ちは単騎待ちに順子(シュンツ)が隣接した形です。「ノベタン」と呼ばれることもあります。端の2種類それぞれが単騎待ちとなります。萬子の例では一萬・四萬の待ちになっており和了牌が雀頭になります。両面と同じように必ず筋(スジ)待ちになりますが、両面よりも自分で2枚使っている分待ちの数が6枚と少ないです。両面ではなく単騎待ちですので、この聴牌形で和了った場合は「平和(ピンフ)」の役はつきません。
- 「亜両面」
「亜両面」待ちは雀頭と両面がくっついた形です。雀頭がくっついている分、両面待ちが8枚であるのに対し、亜両面は6枚と雀頭2枚分少なくなっています。両面よりも弱い形と言えますが、頭の方(索子の例でいう1索)で和了した場合、単騎待ちとして見ることが出来るため符が増えますので、点数が上がる場合があります。両面ですので他の面子が全て順子であれば「平和」の役が付きます。平和がついた場合は単騎待ちとして見ていないため1索で和了しても符は増えません(平和はツモアガリで20符、ロンアガリで30符と決まっている)。
- 「辺張単騎」
「辺張単騎」待ちは辺張(12 or 89)の塔子(ターツ)どちらかの牌が3枚になっている形です。もともとの辺張待ちに加え、3枚を暗刻として見ることで単騎待ちが増えています。純チャンやチャンタなどを狙っているとこの形になることがありますが、単騎待ちの方で和了るとチャンタは崩れてしまうので注意です。
- 「嵌張単騎」
「嵌張単騎」待ちは辺張単騎の辺張部分が嵌張に変わった形です。変則2面待ちですが、両面よりも待ち牌の枚数は少ないため、真ん中寄り(456付近)の嵌張単騎の場合は良形変化を待つ場合もよくあります。両面よりも待ち枚数が少ないとは言いましたが、筋待ちにならないという特徴があり河次第では筋引っ掛け待ちになっていたりもするため、一概に両面より和了りにくいという訳ではありません。
- 「両面単騎」
「両面単騎」待ちは4枚形の中で一番待ち牌が多い聴牌形です。通常の両面待ち8枚に単騎待ち3枚が加わり11枚待ちの3面待ちとなります。平和や三暗刻などの役が絡んでいる場合は役が崩れることもあるので注意です。この形で聴牌できるとちょっと嬉しい(筆者の個人的な感想)。
7枚形聴牌の紹介
前段が長くなりました。7枚形の聴牌を表にしましたのでご紹介いたします。
記事が長くなったため、7枚形それぞれの解説は別記事にて詳細に書き述べたいと思います。
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