萬子(マンズ)・筒子(ピンズ)・索子(ソウズ)のどれか一色のみで和了(アガ)ることで完成する役が「清一色(チンイツ)」。門前(メンゼン)で6飜(ハン)、鳴いて作ると5飜です。
適当に13牌を同色で揃えると一向聴(イーシャンテン)もしくは聴牌(テンパイ)になっていることがほとんどですが、手牌13枚を全て一色で二向聴や三向聴にすることは可能なのでしょうか?
結論から言うと暗槓(アンカン)を使えば三向聴が可能、暗槓を使わなくても二向聴までなら可能です。今回はその牌姿を紹介していきます。
手牌が全て一色の門前清一色三向聴(暗槓あり)
一色手でも暗槓を使うと簡単に三向聴の牌姿が作成可能です。例えば「123333」は「123」の順子(シュンツ)と「333」の暗刻(アンコ)として2面子(メンツ)を形成していますが、ここで3を暗槓すると「3333」の槓子(カンツ)と「12」の辺張(ペンチャン)に分かれます。この場合「12」の辺張は3を暗槓したために順子として揃うことが不可能になるため、面子化するためには1か2を2回引かねばなりません。このように急所を暗槓することで人為的に三向聴を作成することが出来ます。いくつかの例を下に示します。
暗槓が1つだけだと三向聴は作れません。また暗槓を3つしてしまうと三面子完成状態となり、全てが孤立牌だとしても2回で聴牌となるので(二向聴なので)、三向聴は作れなくなります。暗槓の組合せは「3-7」「3-6「4-7」の三種類のみで、「3-7」の場合は“受け無し辺張*2+両面対子or嵌張対子”の構成、「3-6」「4-7」の場合は“受け無し辺張+受け無し両面+両面対子or嵌張対子or辺張対子”の構成となります。
手牌が全て一色の門前清一色二向聴(暗槓なし・4枚使いあり)
暗槓を用いれば三向聴が存在することは先に述べた通りですが、暗槓なしの二向聴形はどのような牌姿があるのでしょうか。まず4枚使いありで考えます。4枚使いとは同種牌4枚が手牌の中にある牌姿のことを言います。いくつかの例を下に示します。
このように4枚を筋(スジ)以上に離して配置することで、向聴数を上げることが出来ます。逆に言うと4枚のそばに牌を置いてしまうと1枚増やしただけで暗刻+順子になってしまうので、向聴数は上がりません(例えば「11113」は2が入ると2面子になる)。一番上の牌姿では1と4の暗槓が完全独立しており、聴牌するためには1の暗槓or1切りと4の暗槓or4切りの2手が必要となるため2向聴が確定しています。暗槓すれば同順内で聴牌する可能性はありますが、向聴数としては2向聴です。
手牌が全て一色の門前清一色二向聴(暗槓なし・4枚使いなし)
では4枚使いもなく手牌全てが一色で二向聴は存在するのでしょうか。存在しますが数は多くありません。以前にTwitterにて「4枚使いなしの清一色二向聴を答えよ」という問題を出題したことがありますが、リプがほとんどつかなかったことから自力で導くには高難易度と言えます(簡単な問題を出題した際は30件以上のリプやRTがついていました)。
もしも自力で解きたい方がいればスクロールせずに一旦考えてみてください。
プログラムを回したわけでなく自分で考えただけなので抜けがあるかも知れませんが、分かる範囲では左右反転形合わせて16種類あります。
考え方としては尖張牌(センチャンパイ)である3や7を抜いて牌の連続形を分断することが基本となります。また、3枚使いを2つは入れないと七対子の一向聴になってしまうので注意です。3と7を両方抜くか、3と6もしくは4と7のように尖張牌の筋牌を抜くことでも牌姿を大きく分断できます。2や8を抜いても分断できるのが1や9だけなので二向聴にするためには力不足です。
それでは全種類を下に示します。
A~Dが36(反転形なら47)を抜いた形で8種類。E~Iが37を抜いた形で8種類。左右対称形はHとIの2種類で、左右反転形を含めなければA~Iの9種類。左右反転形を含めると7種増えて全16種類となりました。
断裂した各3ブロックの牌数は以下の通り。
A:3-3-7 (7-3-3)
B:3-3-7 (7-3-3)
C:4-3-6 (6-3-4)
D:4-3-6 (6-3-4)
E:3-6-4 (4-6-3)
F:3-6-4 (4-6-3)
G:3-7-3 (3-7-3)
H:3-7-3
I: 3-7-3
見て分かる通り1ブロックの構成枚数は3枚・4枚・6枚・7枚しかないようです。また全てにおいて5の3枚使いはありません。
まとめ
いかがだったでしょうか。清一色の二向聴の形を覚えることで麻雀の戦績が上がるとは思えませんが、雑学としては趣深い内容ではないでしょうか。セット麻雀で面子が揃うまでの間にクイズとして出題すれば待ち時間を楽しく過ごすことが出来るかもしれません。
通常、手牌が一色で染まったのに二向聴というのは喜ぶべき牌姿ではありませんが、清一色二向聴がSSレアであるということを知っておけば残念な気持ちよりも嬉しい気持ちが上回るかも知れません。清一色二向聴に出会うことがあったならこの記事のことを思い出して頂ければ幸いです。
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